人畜共通感染症とは? 
                                              
初めてペットを飼う飼い主さんによく質問されるのは「人畜共通感染症」についてです。また、ペットを既に飼っていて初めて赤ちゃんをが産まれるという飼い主さんにもよく相談をうけます。
人畜共通感染症はペットを飼う上で避けて通れないことですから正しく理解し、知識を持つことでしっかりと予防し、よりよい関係が保てるようにしましょう。
人畜共通感染症=ズーノーシス(ZOONOSIS)をWHO(世界保健機構)では「脊椎動物と人の間で自然に行き来することができる病気または感染」と定義しています。
「人獣共通感染症」「動物由来感染症」と呼ばれることもあります。
厚生労働省は人の健康問題という視点にたっているため、「動物由来感染症」という言葉を使っています。

主な感染経路は?

■経口感染(飲食による)
■経皮感染(皮膚から感染)
■飛まつ感染(ほこりなどに混ざって吸い込む)
■創傷感染(傷口から)

病原体は?

■寄生虫
共通感染症全体の約40%を占めています。
■細菌
共通感染症全体の約30%を占めています。
■ウイルス
共通感染症全体の約25%を占めています。
■リケッチア(細菌とウイルスの間にあたる微生物)
■真菌(カビ)
■その他(異常プリオンなど)

どのくらいの数の人畜共通感染症があるの?

世界保健機関(WHO)で確認されているだけでも150種類以上。

飼い主さんが気をつけなければ行けないことは?

●犬の狂犬病予防注射と登録をしましょう。
●濃厚な接触を控えましょう。(口移しなど)
●気が付かなくても唾液や粘液、傷口などにさわることがあります。
  動物にさわったら必ず手を洗いましょう。(小さなお子さんにも習慣づけましょう)
●ペットの身の回りを清潔し,糞尿は速やかに処理しましょう。
●輸入野生動物の飼育は避けましょう。

ペットから感染する病気は手洗いやうがい、ペットの身の回りを清潔にすることで防ぐことができます。
また、予防注射や駆虫薬で予防できるものもあります。予防できるものは予防しておきましょう。
トリなど小型のペットは糞便をそのまま放置しておくと乾燥し空中に舞い、知らずに吸入してしまうことがありますから
注意が必要です。
掃除をするときマスクをしたりうがいをするとよいでしょう。
普段は悪さをしない毒力の弱い病原菌が、免疫力の下がった人、糖尿病などの持病がある人や高齢者に感染する日和見感染も
増えていますから体の調子の悪い人は必要以上の接触をしないよう周りの人も気遣ってあげましょう。


主な人畜共通感染症と症状

病名 動物の主な症状 人間の主な症状 感染経路 感染動物
ウイルス

細菌
狂犬病 興奮、麻痺、疼痛、恐水、幻覚、死亡 興奮、麻痺、疼痛、恐水、幻覚、死亡 咬傷 全哺乳類
猫ひっかき病
(バルトネラ菌)
症状なし、まれに呼吸器症 発赤、発熱、疼痛、肺炎様症状など 咬傷、ひっかき傷、感染ノミによる咬傷,
視力障害


ノミ
レプトスピラ症 症状なし
風邪様症状、嘔吐、死亡
風邪様症状、嘔吐、筋肉痛、激しい頭痛、黄疸、死亡 経皮感染、経口感染
ネズミ、野生動物
パスツレラ症 無症状、呼吸器感染症 咬まれた部分の腫れ、化膿、副鼻腔炎、 咬傷、唾液が口に入る 犬猫うさぎ
ブルセラ症 不妊、流産、無症状 ほとんどなし、まれに周期的な発熱 経口感染 犬、家畜
ライム病 無症状 遊走性紅斑、リンパ節の腫れ、インフルエンザ様症状 感染マダニの刺咬 野ねずみ、トリ
サルモネラ症 無症状、下痢 発熱、下痢、食中毒の症状、死亡 経口 犬、猫、家畜、カメ
カンピロバクター症 無症状、下痢 嘔吐、下痢、発熱、食中毒様症状 経口 にわとり、家畜、犬、猫
結核 肺炎、気管支炎、咳、喀痰、喀血 飛沫、接触 人、犬、サル
ペスト リンパ節の腫脹、高熱、激しい頭痛、死亡 リンパ節の腫脹、高熱、激しい頭痛、死亡 感染ノミの刺咬、感染者からの飛沫感染 プレーリードッグ、ネズミ
真菌 皮膚糸状菌症 無症状、円形脱毛、かゆみ、脱毛 円形発赤、水ぶくれ、かゆみ 接触 うさぎ、犬、猫、ハムスター
寄生虫

原虫
ノミ症
貧血、皮膚炎(痒み、丘疹)
ノミアレルギー

皮膚炎(痒み、丘疹),

瓜実条虫:無症状、消火器症状
刺咬症、
瓜実条虫に感染したノミが口に入る
犬、猫
ノミ関連
媒介になるもの
猫ひっかき病
ペスト
瓜実条虫症
ノミアレルギー
野兎病
瓜実条虫症 無症状、下痢 無症状、幼児の場合腹痛、下痢、 経口感染 ノミ、しらみ、犬、猫
エキノコックス症
(多包虫症)
無症状、下痢 無症状、肝不全、黄疸 経口感染 野ネズミ
キツネ、犬
トキソプラズマ症 無症状まれに子猫の場合発熱など 無症状、流産、まれに発熱、脳炎、髄膜炎など 経口 猫、家畜
クリプトコッカス症 無症状、呼吸器症状 発熱、咳、痰、胸痛、髄膜炎 経口 はと、猫
疥癬症 かゆみ、皮膚炎 一時的なかゆみ 接触、ヒゼンダニが皮膚に侵入 犬、猫、うさぎ
小型条虫症 無症状 無症状、子供の場合下痢 経口 ハムスター
ツツガムシ病 無症状 発熱、発疹、死亡 ダニの刺咬 ツツガムシ
リケッチア オウム病 無症状、下痢、毛を逆立てる、死亡 全身倦怠感、咳、肺炎、髄膜炎、死亡 飛沫、経口感染 トリ
Q熱
(コクシエラ症)
無症状、流産、死産 発熱、倦怠感、不眠、腰痛など検査ではわからない不定愁訴 経口 犬、猫、家畜、野生動物、ダニ