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ペットの災害避難準備 マイクロチップ装着について 災害時チェックシート

災害準備

この記事を最初に掲載したのはもう10年以上前になりますが、掲載後、新潟中越震災、スマトラ島沖地震、福岡県西方沖の地震が起きその後も東日本大震災をはじめ様々な災害に見舞われています。
当時はあまりペットの防災について注目されていませんでしたが、その後色々なサイトや雑誌の記事
で当院の記事が転用されていたので少しはこのHPが役に立ったのかなあと自負しています。引き続き当院の飼い主さんへもう一度ペットたちの災害時の避難について考えていただきたく記事を残しておきます。

災害などの緊急時の準備、人間だけでなく、ペットたちのことを考えていますか?
阪神・淡路大震災や三宅島噴火で人間は勿論のこと多くの動物たちが被災したことは記憶に新しいことと思います。
いざという時のために自分たち家族だけのためでなく、周囲の人たちのことも考えてペットの避難準備もしておきましょう。
●●万が一、災害が起きて避難をしなくてはいけないとき、避難場所でのペットの世話
  などは飼い主の責任になります。普段からペット用に避難用持ち出し袋を準備して
おきましょう。
ペット用非常用袋
持ち出し袋の中身は・・・
@2−3日分のフード&水
災害時、被災動物に救援物資が届くのは早くても2−3日かかると予想されます。
長期保存のできるものでなるべく軽いものがよいでしょう。特に小鳥などの小さな
動物は1日食餌を摂れないと命にかかわることがありますので注意が必要です。
Aリード&首輪 
※普段から首輪やリードには身元の確認ができるように迷子札をつけたり、直接
住所や飼い主の名前を記入しておきましょう。万が一飼い主と離れてしまい他の
ところで保護されても飼い主さんのもとに戻ってくる確立が高くなります。
最近ではマイクロチップを装着するペットが増えています。
B糞を処理する袋、新聞紙、トイレットペーパーなど、ペットシーツ      避難時であっても排泄物の処理は周りの避難者への最低限のマナーですね。
C薬(動物病院でもらう記録手帳)
持病のある子はすぐに持ち出せる場所に用意しておき、必要があれば獣医さんに
相談してみてください。動物病院で病歴・ワクチンなどを記載してある手帳などを
もらっている場合はその手帳、無ければ、ご自分で普段の様子や病歴を第三者にも
わかるように記録しておき、できたら写真なども貼っておきましょう。
Dケージ 
小型犬や猫、うさぎその他小動物は必需品。大型犬も用意できる人は用意しましょう。
飼い主の名前を記入しておきましょう。小鳥などは非常時に一時的に小さなかごや
プラスティックの虫かごで代用してもよいでしょう。猫は洗濯用のネットを用意して おくとよいでしょう。
E動物用の靴または靴下。
避難時にがれきやガラスで足を負傷してしまったペットが多かったようです。

 この記事を書いた後に院長に「是非これは付け加えて」と言われ追記しました。         (*^_^*)
Fその他人間や他の動物が苦手な子、危害を加える恐れのある子にはトラブルを
避けるためにもカラーや口輪
を用意しておくとよいでしょう。 

■■-心得-持ち物以外で気をつけておくこと
準備が必要なこと■■

  
@災害が起きた際、パニックになり逃げ出して飼い主と再会できずにいるペットが
数多くでます。
持ち出し袋の記述と重なりますが、必ずペットには飼い主のわかるように迷子札
などをつけて連絡先がわかるように しておきましょう。 
その他日本ではまだ一般的ではありませんが、マイクロチップを埋め込んだり、
ペットの為の探索機(事前に登録が必要です)をつけるなどの方法もあります。
動物病院で相談してみてください。
A災害時はペットと人間は同行避難が原則です。避難場所には多くの人や動物が
集まることになります。動物同士は勿論のこと、人畜感染症もあります。
病気感染やトラブルを避けるためにも犬は狂犬病の予防ワクチンを1年に1度
必ず受け犬猫などは必要なワクチンを受け、ノミ・ダニ予防もしておきましょう。
B避難時は大勢が集まりますので普段からの基本的なしつけが非常に重要になります。
ケージに入れてもないたり暴れたりしないよう「ハウス」や「待て」をはじめ、
飼い主さんの言うことを聞くことができるように訓練しておきましょう。
子犬の頃から色々な人や動物に慣れさせて社交的な子にしておくことが理想です。
C近所の人と普段からコミュニケーションをはかっておくと避難時にもトラブルが
起きにくいでしょう。
 非常時にはペットに強いストレスがかかり、攻撃的になったり、思わぬ行動にでることもあります。避難している人間の方も勿論イライラしている人も多いでしょうから、色々な場面を想定し、同行避難の準備を整えておきましょう。
  阪神・淡路大震災などの教訓で新潟中越大震災では狂犬病ワクチン接種による
鑑札登録頭数がかなり正確に把握されており、救助も比較的速やかに行われました。
一方報道でご存知の方も多いように「犬が吠えるので避難所に置いておけない」と車で避難し、
エコノミー症候群で命をおとす方がでるなど、ペットと一緒に避難できる体制は無いに等しいといえます。万が一震災がおきたとき、避難所に同行避難する場合の準備は前述したとおりです。
災害が起こってからでは間に合わない「ゲージにおとなしく入っていられるような訓練」や
狂犬病ワクチン接種などは済ませておきましょう。


マイクロチップについて
飼い主さんが一番心配されているのは災害時の混乱で、動物達と離ればなれになってしまうことでしょう。阪神淡路大震災では1500頭以上の動物が保護されたそうです。
 以前災害時についてとりあげたので災害時の準備などのことはここでは省略しますが、災害は飼い主さんが不在時に起こることもあり、平常時から必ず迷子札を装着することは絶対必要です。
ただ首輪や迷子札ははずれてしまうこともあるかもしれませんし、情報が消えたり読みにくかったりするかもしれません。電話番号やペットの名前だけでは自宅の電話が使えなければ手元には届かないこともあるでしょう。マイクロチップは災害時の混乱の中でも確実にペットと飼い主さんを結びつけることが出来る点で優れています。
また、以前もお知らせしたとおり2004年11月より犬猫などに対しての新しい検疫制度がはじまり,マイクロチップによる個体識別が義務となりました。短期間の旅行であっても、海外に犬(猫)を連れていくときは輸出検疫を、日本に帰国するときは輸入検疫を受けなければなりません。不備がなければ12時間以内の係留で済むところ不備があると180日係留されることもありますので今後海外旅行にペットを連れて行く機会のありそうな方は余裕を持ってあらかじめチップ装着をしておくことをお勧めします。

ボストン
Q:マイクロチップって?

A:直径約2mm×長さ約10-13mmの小さな生態適合ガラス製でできた円筒形の電子標識器具です。
ボストン
Q:マイクロチップにはどんな情報が入っているの?
A:チップには国コード(日本は392)、動物種コード(ペット14)、個体番号等が組み合わされた世界でただ一つの個体識別番号が記録されています。
(ID番号15桁の数字)
飼い主さんの名前やペットの名前が直接記録されているわけではありません。
ボストン
Q:チップの注入は痛いんでしょ?麻酔するの?
A:注入の針の太さを見て飼い主さんは一様に驚いてしまうと思いますが、皮膚をつまんで持ち上げ短時間で注入するものですから、一般の皮下注射と変わりません。勿論麻酔も必要ありません。
針先がナイフ状になっているのでチクッとする刺激はあるかもしれませんが、H.P.Cでこれまで注入した子たちはその子の大きさや種別は関係なく特に痛がる様子はありませんでした。ただ、H.P.Cでは多少の出血があることや万が一の傷からの感染を考慮し抗生物質の軟膏を塗布するか抗生剤入り接着剤をスプレーしています。
ボストン
Q:どこに挿入するの?

A:下の写真で菜の花ちゃんがスキャンしている位置を見ていただければわかりますが、左側肩甲骨皮下組織です。
ボストン
Q:副作用は?
A:世界的にみてマイクロチップ挿入による副作用の報告はほどんどありません。発癌性などの異物反応も報告されていません。日本ではまだあまり普及していませんが、世界各国で既に使用されているもので、さまざまな臨床実験によって安全性が証明されています。ただし、H.P.Cの患者さんで子犬のとき他院でマイクロチップを注入した場所がしこりになったという方がいましたので絶対ということは無いと思います。
ボストンQ:ペットショップ(ブリーダーさん)で子犬のときマイクロチップを装着したと聞いているのですが、調べられますか?
マイクロチップの規格により読み取り機が対応していない場合以外はID番号の確認はできます。
ただ、装着した際に飼い主情報がどなたの名前になっているかペットショップ(ブリーダーさん)または装着した獣医さんがわかれば確認してみてください。
できればIDデータの登録情報を変更し、現飼い主さんの情報に登録しなおしましょう。
それができなければ再度マイクロチップを装着したほうがいいでしょう。
ボストンQ:他国入国への問い合わせの際ISO規格に準じたものを指定されたのですが、ISO規格って何ですか?
A:国際標準化機構(International Organization for Standardization=ISO)。
もともと工業製品の国際標準規格を策定する機関です。
ネジ山、文字コード、クレジットカードのサイズ、写真フィルム感度、非常口の図柄などが有名です。国際的な統一規格として国際的な流通に大きく寄与しています。
お問い合わせいただいた件に関しては、マイクロチップのデータコードと通信方式(電波の周波数など)についてISO規格に準じたISO 11784(データーコード)、ISO 11785(通信方式)のものを装着してください、ということです。
日本国内で販売されているマイクロチップは農林水産省の許可に基づき国際規格の製品が販売されていますが、念のため獣医さんに伝えてください。
ボストン
Q:ペットがISO規格のマイクロチップを装着しないで日本に到着するとどうなるのですか。
A:まずは事前に到着予定港の動物検疫所に問い合わせしましょう。
ISO規格以外の場合は、自ら適合する読み取り機を用意し、マイクロチップ番号を確認できるようにしてください。
日本到着時の輸入検査でマイクロチップの番号が確認できない、あるいはマイクロチップが輸出国政府機関の証明書と照合できない場合は個体識別措置が講じられていないとみなされ、180 日間の係留検査となりペットは勿論のこと飼い主さんにも大変なストレスになります。ペットの出入国があるときはできるだけ早めに動物検疫所に連絡をしましょう。特に犬の場合、何れの方法でも輸出国政府機関の証明書との照合ができないとき、検査証明書がないものとして
返送となりますので注意が必要です。
ボストン
Q:犬猫以外のペットに装着することってできますか?子犬や子猫でも大丈夫?
ほとんどの動物に装着可能です。(哺乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類。)
ただ皮下注射ですから動物種により向き不向きはあると思います。
ハムスターなどの小さい個体についても針の太さなどを考慮するとあまりおすすめできない気がします。
子犬猫に関しては生後4週齢位から可能ですが、その種別や個体の大きさによって獣医さんに判断を委ねたほうがいいと思います。

スキャナーで読み取ったところ

H.P.Cのゆめやチカプ・はなこ、居候保護猫たちもマイクロチップを装着しています。
マイクロチップ装着後、組織に定着するまで時々獣医さんでIDを読み込んでもらうと安心です。

H.P.Cで装着した患者さんは散歩がてら体重を計測がてら時々ID読み込みもしていますよ。

ボストン
Q:どんな情報を登録するの?
A:注入日、飼い主情報(氏名、住所、電話、FAXなど)のほか、注入した獣医師や動物病院の情報、勿論装着したペットの名前、生年月、性別、動物種(犬、猫、その他)、動物の種類(犬種、猫種など)に加え、毛色の情報を登録します。
ボストン
Q:マイクロチップを装着したあとはどうすればいいの?
@動物病院で受け取った申込書に付属した振替用紙を持って郵便局で社団法人日本動物保護管理教会内AIPO(動物ID普及推進会議)登録料1000円を振り込みます。
A動物病院で記入してもらったID登録申込用紙に捺印してください。
B郵便局で振り込んだ振込金受領書原本を申込書のAIPO送付用(用紙右上に記載)に貼り付け、動物病院で受け取った送付専用の封筒で送付してください。
C書類を受け取ったAIPOが登録を行い、登録完了後データ登録完了通知書と領収書を発行・送付してくれます。

IDデータ登録申込書の控えとともに大事に保管しておきましょう。(注入した動物病院でもデータを管理しています)
引越しなど情報に変更があった場合はただちに登録の変更をしましょう。

変更の予定がある方は用紙を1枚多めにもらっておいてもよいかもしれません。

ボストン
Q:すぐに海外に転勤する場合はどこの住所で登録すればいいの?
海外への転勤などで数年で日本に戻る予定があり国内にご家族が残る場合などは国内の登録をそのままにしてとりあえず現住所で登録しましょう。
必要があれば海外に移住した時点で近くの動物病院でIDをスキャンしてもらい、それぞれの国のデータ登録会社に登録しなおしましょう。
※※わからないことがあればAIPOにお問い合わせください。
    AIPOの方がとても親切に応対してくださいます。


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